AWS re:Invent 2021で注目の新発表を紹介【個人的に気になるサービスと機能まとめ/感想】
目次
こんにちは。
2021年11月29日から12月3日までLAS VEGASで行われた「AWS re:Invent 2021」ではAWSの新サービスが数多く発表されました。
今回はその中でも個人的に注目のサービスを厳選して、簡単な感想を添えてまとめてご紹介します。
※ AWS : Amazon Web Services
SageMaker Studio Lab - 無料の機械学習環境
無料でアカウントが作れてwebブラウザから使える機械学習サービス。
初学者にとってはPython+必要な機械学習ライブラリのインストールとか、SageMakerインスタンスの起動ですらAWSアカウントの作成やら何やら導入に色々な手間やハードルがあって大変。(私も苦労しました)
そんな初学者や手軽に環境構築したい方向け待望の無料サンドボックスが爆誕したようです。
- 登録はメールアドレスと数問のアンケートのみ。AWSアカウントも料金も不要。
- Jupyter Labベースの機械学習環境
- TensorFlowやPyTorchといったメジャーな機械学習ライブラリを利用可能
※TensorFlow : Googleが開発したオープンソースのMachine Learningライブラリ
※PyTorch : Facebookが開発したPythonのオープンソースDeep Learningライブラリ
早速私もアカウントを申請してみました。どんな感じか早く試してみたいです。
Now in Preview – Amazon SageMaker Studio Lab, a Free Service to Learn and Experiment with ML
Amazon Redshift Serverless - サーバレスなDWH分析が可能に
AWSのDWHサービスRedshiftがサーバレスになったもの。インスタンスの起動がマネージドになり、より導入しやすくなりました。
- クラスターの起動設定や管理が不要で分析クエリを実行できる
- 自動スケーリングによるコスト最適化
- 実行したコンピューティングに対して秒単位で課金
- S3内のParquetファイルやAuroraやRDSのDBに対し直接クエリ可能
AWS | Amazon Redshift Serverless
Announcing Amazon Redshift Serverless (Preview)
Amazon EMR Serverless - 数クリックで大規模な分散処理
EMRもサーバレス化しました。Hadoopライクな分散処理アプリケーションが数クリックで実行可能に。ペタバイト級のデータ分析も数クリックで。そう、AWSクラウドならね。といった感じでしょうか。
- EMRクラスターの起動設定なしに実行可能
- 自動スケールとリソース従量課金によるコスト最適化
Introducing Amazon EMR Serverless in preview
Amazon EMR | What is Amazon EMR Serverless?
SageMaker Canvas - ノーコードGUIで機械学習モデリング
AWSの機械学習といえばSageMakerですが、プログラムを書かない(書けない)ビジネスパーソンにも優しいビジュアルで操作可能なモデリングツールが登場しました。
- ビジュアルUIを使用してコードを書かずに機械学習モデルを作成
- データCSVの読み込み、予測対象の選択などといった操作を経て推奨モデルを提案してくれる
プログラムを書ける人でも敢えてこのSageMaker Canvasを使うことで、データセット・モデル・推論結果が可視化され、ビジネスコミュニケーションが円滑になる可能性がありますね。
Amplify Studio - ノーコードのアプリ開発
Amplifyのアプリ開発が、GUIでフロントエンド開発ができるようになったようです。ホームページビルダーみたいな?
- UI開発を最小のコードで実現
- UIコンポーネントをバックエンドデータに視覚的に接続
経験上、GUIで作成したwebサイトがどんなコードになるのか恐ろしいところではありますが、web開発のハードルが下がることは嬉しいですね。
AWS Amplify Studio – Figma to Fullstack React App With Minimal Programming
EC2 のNewインスタンス - M1/C7g/Trn1
色々出てきました。M1 Macが使えるのはマカーとして何か検証するのに使えそうですね。他はスペック厨向け。M1もか。
- mac2.metal
- MacのM1チップを搭載したインスタンス。
- Mac miniがそのままAWSデータセンターのラックに入ったDedicated Hostのインスタンス。
- Trn1
- AWSが開発した機械学習向けチップTrainiumを搭載。
- MLトレーニングに最適化されたインスタンス。
- C7g
- AWSが設計したプロセッサGravitonファミリーの最新Graviton3を搭載
- 前世代C6gインスタンスに対してメモリ・ネットワーク帯域幅が向上
Announcing preview of Amazon EC2 Trn1 instances
Announcing new Amazon EC2 C7g instances powered by AWS Graviton3 processors
DynamoDB Standard-IAテーブルクラス - 低頻度アクセスデータの保管コストを6割節約
AWSの万能NoSQLデータベースDynamoDBのテーブルに新たなクラスオプションが追加されました。IAはS3でも出てくるInfruent Access(低頻度アクセス)のことですね。
ちなみにスループットコストは標準テーブルクラスのほうが20%低いとのこと。データの利用が低頻度のものだけStandard-IAにするといった工夫が必要。
テーブルクラスの切り替えはテーブル性能や耐久性、アプリケーションのコードに影響なく切り替えできるようです。
S3 Glacier Instant Retrieval storage class - ミリ秒単位で取り出せるアーカイブ・ストレージ
Glacier Instant Retrievalストレージクラスを使うと、四半期に一度のアクセスの場合はS3標準-IA(低頻度アクセス)ストレージに対して、コストを最大68%節約できるとのこと。
また、既存のS3 Glacierストレージクラスの名前は「S3 Glacier Flexible Retrieval 」に変更され、こちらのストレージ価格も10%安くなりました。
新しい Amazon S3 Glacier Instant Retrieval ストレージクラスを発表 - ミリ秒単位で取り出し可能な最低コストのアーカイブストレージ
ちなみに、S3のストレージクラスの値下げも発表されました。例えばS3標準-IA(低頻度アクセス)クラスの場合、Tokyoリージョンは27%減です。データに合わせて積極的に安いストレージを選択していきたいですね。
AWS Storage Blog | Amazon S3 reduces prices up to 31% for three storage classes
AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトでも頻出のS3関連の知識、日々アップデートしないとです。
まとめ
以上個人的に気になった「AWS re:Invent 2021」の新サービスや機能をご紹介しました。
データサイエンスに興味がある身としては、SageMaker Studio LabやRedshift Serverless、EMR Serverlessといったデータ分析系が特にアツいですね。
Amplify Studioもちょっと弄ってみたい気がします。
ここで紹介したのは氷山の一角、興味がある方はぜひ以下のリンクから本家まとめ記事をチェックしてみてください!
それでは〜